一般社団法人宮崎県LPガス協会 ECOでクリーンなエネルギー LPガス
 お世話になっております。宮崎県LPガス協会です。

 令和5年9月26日、株式会社Misumi宮崎海上基地にて第八地域中核充填所実地訓練を行いました。
 
 ★中核充填所とは…災害時におけるLPガスの安定供給を目指し、経済産業省より指定を受けた充てん所のことです。災害時にも自立的に稼働できるようにするため、非常用発電設備や緊急用通信設備が備えられています。全国に約340か所存在し、宮崎県内には7か所あります。また、災害時に迅速な対応が出来るようにするため、実地訓練も定期的に行っています。

 訓練に先立ち、宮崎県LPガス協会会長 後藤拓郎氏より開会の挨拶が行われました。
 続いて第八地域連絡協議会会長 荒木健治氏より挨拶が行われました。

 訓練の想定としては、9:30頃日向灘を震源とするマグニチュード9.1の地震が発生、宮崎市は震度6強の地震に見舞われ、被害が多数発生。9:33に津波警報が発せられ、10:00に解除。宮崎県LPガス協会は病院や公的施設、避難所へ優先的にLPガスを供給するため、被害の少なかった中核充填所の株式会社Misumi宮崎海上基地に現地対策本部を、また宮崎県LPガス協会に総合対策本部を設けLPガスの供給体制の整備を行うこととして訓練していきます。
 
①津波初期対応訓練
 宮崎市津波ハザードマップによるとMisumi宮崎海上基地には最短18分後に2mの津波が来る想定となっています。自社の高台へと素早く避難します。

②充填設備等点検訓練
 地震が発生した後、設備に異常がないか確認する訓練です。基地内の各種設備や計器類に異常がないことを目視で確認していきます。

③非常用ガス発電設備稼働訓練
 地震の影響により停電した充てん所の電源を確保するため、非常用ガス発電設備の稼働訓練を行います。
Misumi宮崎海上基地では非常用ガス発電機2機を設置しており、充てん所の稼働に必要な電力をまかなうことが出来ます。非常用ガス発電設備は病院や福祉施設、金融機関などでも活用されており、災害時など停電した場合に電気を供給することが出来ます。

④災害時情報伝達訓練
 衛星電話を使用し、宮崎県LPガス災害対策本部よりMisumi宮崎海上基地に状況を確認します。また、県内各地の中核充填所の情報収集を行い、被害状況の確認と支援の準備等の確認や要請を行います。今回は南九州液化ガスとホームエネルギー南九州都城センターへ人員の支援要請を出し、ツバメガスフロンティアより充てんの依頼を受けたという設定です。
 その後収集した情報を経済産業省、全国LPガス協会、宮崎県危機管理局へ報告を行い、情報の共有を図ります。続いて九州各県の状況を把握し、支援が可能かどうか確認し、状況に合わせて支援を依頼することが出来るよう準備をしていきます。
 

⑤応急ガス充てん訓練
 一般充てん所からの支援要請に基づき、LPガスの充てん作業を代行して行います。災害時は学校、病院、避難所等の社会的優先度の高い施設を優先復旧するものとしております。

⑥バルクローリー車への払出訓練
 学校、病院、避難所等に設置されていることの多い「LPガス災害バルク」への緊急充てんを行うため、バルクローリー車への払出訓練を行います。

 ★LPガス災害バルクとは…大容量を貯蔵可能なバルク貯槽を公共施設や避難所等に設置し、日常は普通にガス
 を使用しながら万が一の災害時には支援に役立てることが可能な設備です。一般的にガスの残量が40~20%程
 度になると自動的にLPガス充てん所へ連絡が入る仕組みになっています。

⑦国家備蓄石油ガス放出訓練
 国家備蓄法により九州においては、非常事態には長崎県福島基地からLPガスの払い出しが行われます。こうしてLPガスの供給がストップすることなく供給していきます。
 国家備蓄石油ガス放出訓練に関しては独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構のホームページに詳しく掲載されています。下記リンクよりご確認ください。
リンク:福島国家石油ガス備蓄基地における令和5年度国家備蓄石油ガス放出訓練の実施について
 
⑧広報活動訓練
 2次災害を防ぐ手段として、またLPガスを安全に使用していただくために広報活動をいたします。

⑨仮設避難所支援訓練
 家屋が倒壊した場合、被災者は避難所や仮設住宅での生活を強いられることになります。そんな時でもLPガスを迅速に設置し、生活を支援することが出来るようにするための訓練です。
 (右)シリンダーユニット…緊急時に50kg容器を2本迅速に設置できます。
 (中)炊き出しステーション…羽釜、鍋、鋳物コンロ、調理台等がセットになっており、炊飯は最大12㎏を一気に炊き上げ、汁物は30ℓまでの調理が可能です。
 (左)ガス発電機…石油系の発電機に比べてCo2排出量が少なく、メンテナンス期間も長くなっています。LPガスは長期間保存しても劣化が少ないため、備蓄燃料として最適です。
  

 最後に九州産業保安監督部保安課長 菊田宗徳氏より総評をいただきました。
  
 以上の訓練を無事に滞りなく終えることが出来ました。今後ともLPガス協会は万が一の災害の際に迅速に対応が出来るよう常に備えを万全にいたします。